ワニブックスから、凄まじい本が発売されました。
ドン
年末恒例「ももクリ2016」で、プロレス界の至宝・飯伏幸太選手が提供試合を行うことが決定してからと言うもの、残念系のプ女子の皆様が、早朝から並び、 モノノフ(ももクロファン)を押し退け、最前列で無銭がっつきを企む年の瀬に、完全に私得のももクロとプロレスがコラボした書籍が発売されました。
思えば今年は、新日本プロレスの1.4東京ドーム大会に、ももいろクローバーZの「小さな巨人」こと有安杏果さんが、ゲスト出演を果たしたことも何かの縁だったのかもしれません。
ももクロ✕プロレス
もともと、「ももクロ✕プロレス」は、白夜書房の「BRODY」に掲載された、天龍源一郎さんと「みんなの妹」玉井詩織さんの対談から生まれた企画。
その後、天才・武藤敬司選手と「茶畑のシンデレラ」百田夏菜子さんの対談も決まり、トントン拍子に、飯伏幸太選手と「絶対アイドル」佐々木彩夏さん、越中詩郎選手と「感電少女」高城れにさん、岩谷麻優選手と「小さな巨人」有安杏果さんの対談が決定。
そして、あれよあれよと言う間に書籍の発売にこぎ着けたのです。
白夜書房で始まった企画が、ワニブックスで書籍化されるというのも楽しい話ですが、それ以上に楽しい書籍となって完成です。
そこで今回は、「ももクロ✕プロレス」をじっくり読んだ上で、ももクロとプロレスの楽しさを存分にご紹介していきたいと思います。
スペシャルオープニングバウト
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小島和宏✕工藤めぐみ
まずは、ももクロ目当てで書籍を買った人をいきなり混乱に突き落とすような対戦(対談)が始まります。
「W★INGが……」とか「グラジエーターが……」といった会話が普通に繰り広げられています。
ここ、近所の居酒屋じゃないんだって。
ただし、全くももクロに関係ないかというと、当然そんなことはなく、これまでアイドルにハマったことがない、元・現プロレスファンの多くが、実は工藤めぐみさんにハマっていたというカラクリが隠されているのです。
とはいえ、特にモノノフ(ももクロファン)でもない工藤めぐみさんの話題はやっぱり初期から新生にかけてのFMWを中心に進みます。
当時からのプロレスファンは懐かしさを覚え、モノノフはよく分からないままオープニングバウト終了です。
気になったフレーズ
小島:大仁田厚から「俺は当時から小島ちゃんに、プロレス以外の仕事もしたほうがいい、と言い続けてきたから、お前の今があるのは俺のおかげだ」とも言われたんだけど、そんなことを言われた記憶はまったくない(苦笑)
この頃から、大仁田厚選手って、調子が良かったんですね。
龍魂は遺伝子覚醒する!
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天龍源一郎✕玉井詩織
天龍 取材をはじめる前に聴きたいんだけどさ、そっち(小島さん)はどうして週プロを辞めたの?
ーえっ、いきなりですか(苦笑)
天龍 やっぱりさ、ターザンが山本が嫌だったのか?
ーいや、別にそういうわけでは……。
天龍 ターザンが嫌だったんだろ?!
ーえーっと、じゃあ、そういうことにしておきましょう(苦笑)
天龍 よしっ!これで気持ちよく取材をはじめられるよ(と握手を求める)。
とまぁ、ももクロとは全く関係のない話から始まる、天龍源一郎さんと玉井詩織さんの対戦。
ご存知の通り、天龍さんと玉井さんは、映画『幕が上がる』で親子を演じており、この対戦も、雑誌「BRODY」で収録されたものの再録完全バージョンです。
対戦は、終始なごやかに、天龍さんから玉井さんへのアドバイスという形式で進みます。
考えてみればももクロは、日産スタジアムや国立競技場と行った、日本を代表するようなスタジアムでライブを行っていますし、この対戦の後も、ドームツアーを行うなど、プロレスよりも大きな会場でのライブの経験を持っています。
場数は、既にそんじょそこらのプロレスラーよりも数段経験しておりますが、それを30年以上も経験してきたのが天龍源一郎さんです。
プロレスとアイドルという立場の違いこそあれど、トップを維持し続ける方法を伝授します。
気になったフレーズ
ー天龍さんといえば、レボリューション。ここから「玉井レボリューション」を起こしていけたら面白いですね。
玉井 うーん……玉井レボリューション、起こせるかな? でも、がんばります!
既に玉井レボリューションは始まっています。
「路上」から「世界」へ~新・黄金時代への序曲
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飯伏幸太✕佐々木彩夏
そういえばももクロって、テレビ番組で同世代のアーティストと共演することはありますが、ライブとかでがっつりコラボするのって、松崎しげるさんや坂崎幸之助さんといった大御所さんたちばかり。
プロレスラーと絡むのも武藤敬司選手や天龍源一郎さんといったレジェンドクラスが中心です。
現在、現役バリバリで世界を股にかけて活躍する飯伏幸太選手との対談に、佐々木彩夏さんも、プロレスラーって若い人もいるんだと驚いたのではないでしょうか。
対戦は、現役バリバリ同士、現在進行系の話題が繰り広げられています。
飯伏幸太選手は、新日本プロレスとDDTの二団体同時所属など、プロレス界の既成概念を壊しまくってきたプロレスラーですし、ももクロはプロレス的な手法でアイドルの既成概念を壊しまくってきたアイドルです。
先人を歩く者同士、互いにリスペクトしたような対戦となっております。
ももクロも楽曲の数が増えてくるにつれ、ライブで全ての楽曲を歌うことが不可能になっています。
そうなると、「今日はあの歌は歌わないんだ」というようなファンの不満も出てきており、それにどのように対応するのかが考えられています。
そんなとき、飯伏幸太選手の考える「自由」がキーワードになるのではないでしょうか?
気になったフレーズ
飯伏 (プロレスは)芸能の世界と似ている部分は多いと思うんですよ。僕たちがリングに出ていく前の気持ちとか、お客さんの前に出た瞬間の感情とか。アイドルのみなさんがステージに向かう気持ちに近いんじゃないかな?
佐々木 あぁ、そうですね。入場シーンとか、プロレスラーの方だと、いかに勢いをつけるか、いかにカッコよく魅せるかって考えるとこを、私たちはいかに華やかにかわいくできるかって考えます。
やっぱり、プロレスとアイドルは共通する部分が多いのです。
ド演歌ファイター&鋼少女「涙の人生劇場」開幕!
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越中詩郎✕高城れに
越中 俺ね、あななたち(ももクロ)の歌、知っているんだよ。
れに えっ、本当ですか?
越中 あの都道府県の歌。
れに あっ『ももクロのニッポン万歳!』だ。なんで知ってくれていたんですか?
越中 車の中で聴いてたんだよね。それがやけに耳に残ってて。
ももクロの歌といえば、『行くぜっ!怪盗少女』や『サラバ、愛しき悲しみたちよ』あたりが有名だとは思いますが、まさかの『ももクロのニッポン万歳!』だとは意外です。
たしかに、ヒョヒョヒョヒョヒョヒョイとっというメロディは耳に残りますが、それでもまさかのまさかです。
ただし、40代以上ですと、都道府県の歌というと完全に森高千里さんの『県庁所在地ロックンロール』ですかね。
ももクロの敏腕マネージャー川上アキラ氏の希望で組まれた、越中詩郎選手と高城れに選手の対戦。
反選手会同盟と事務所に推され隊と、反体制派に立つ二人だけに互角の展開が予想されましたが、蓋を開けてみると、ほとんど越中詩郎選手のひとり語り状態。
けれど苦労人の越中詩郎選手だけに、めちゃくちゃおもしろいです。
対談というよりも、れにちゃんのお悩み相談といってもいいでしょう。
越中詩郎選手は、ももクリで開催されるプロレスの試合に出場するようですが、今から楽しみです。
気になったフレーズ
越中 でもね、今、ちょっとでも酒が入ったら、すぐに出てくるのがメキシコの話なんだよね。不思議なんだけど、嫌な思い出はひとつも残っていない。あんなにグチってたのにね。そういことですよ。肥やしになるっていうのは。
越中さん、かっこいいです。
ももクロに『救われた』プロレスラーの告白
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岩谷麻優✕有安杏果
杏果 わーっ、麻優ちゃん!
麻優 本当に緊張します。本当に私で大丈夫なんですか?
他の対戦ですと、ももクロがレスラーに話を聞くという形式でしたが、この項に限っては、プロレスラーの岩谷麻優選手が憧れのももクロに話を聞くという形式となっています。
プロレスの興行は多様性が大切。
こういう対戦が間に入っていても良いでしょう。
話の中身はというと、完全にアイドルとファンが握手会や面会で話すのような内容が続きます。
ただし、岩谷麻優選手だって、ただのモノノフ(ももクロのファン)ではありません。
レッキとしたプロレスラー。
有安杏果さんのオーラに圧されながら、しっかりと聞くところは聞いていきます。
有安杏果さんくらいの年代ですと、いわゆる男子プロレスは見られないけれど、同世代の女子プロレスなら見られる対象になるようです。
新日本プロレスがプ女子を開拓していますが、さらなるプ女子を獲得するためには、女子プロレスが復興が必要不可欠だということが分かります。
今は大きなお友だちで集客する女子プロレスではありますが、そろそろ女性を対象にした女子プロレスがあっても良いのではないでしょうか。
印象に残ったフレーズ
ーいやいや、有安さん。(ももクロは岩谷麻優選手と一緒に入場するというのは) そういうことじゃないんですよ。大きな会場で一緒に入場するあら意味がある。もっと女子プロレスの人気が出て、日本武道館とか東京ドームで試合ができるようになったら、そのときに……(一緒に入場しよう)ってことですから。
ももクロとあかりんの約束を思い出します。
5年ぶりの再戦!ふたつの太陽、頂上対決
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武藤敬司✕百田夏菜子
ー武藤さんは5年前、ももクロとトークで激突しています。
武藤 あれだよね。お客さん前でやったやつ。
ーそうです。鶯谷の東京キネマ倶楽部で開催された『ももクロ試練の七番勝負』というイベントです。
今となっては信じられない話ですが、かつてはももクロも、東京キネマ倶楽部でイベントを開催していたことがありました。
東京キネマ倶楽部といえば、女子プロレスが頻繁に使用しいた、300名ほどの会場です。
ライブではなくイベントだったとはいえ、現在のももクロの勢いからはとても考えられない会場です。
逆に言うと、現在は東京キネマ倶楽部ほどの会場で行っているプロレス団体も、数年後には日産スタジアムや国立競技場を開催できる可能性だってあるのです。
夢は咲かせてなんぼのもんなのです。
武藤敬司選手は、2008年に早見あかりさんが脱退したことから、「仲が悪いの?」とは言いますが、プロレス村の感触でいうと、「仲が悪い=分裂」なのでしょう。
ちょっと仲が悪くなったからといって、すぐに分裂を繰り返しファンに多大な迷惑をかけるプロレス村の習慣なんかが見え隠れする感慨深い対戦です。
プロレスも、意見が別れたときは多数決で決定してみてはいかがでしょう。
チクチクと、不仲や解散説を出してくる武藤敬司選手は、やはりプロレスを骨の髄までしゃぶり尽くしているのかなと考えてしまいます。
でも、ナチュラルボーンマスターな武藤敬司選手と百田夏菜子さんの対戦は屈指の名勝負でした。
印象に残ったフレーズ
武藤 ももクロの場合はアーティストとして、もう『作品』を残しているんだから、たぶん、その作品自体に、もう顧客がついているわけだからね。みんなついてくれますよ。
夏菜子 うれしい。それが理想ですよね。
ももクロの歌を聞くたび、ライブの映像を見るたびに、自分は「あんなことしてた、こんなことしてた」などを思い出します。
ボーナス・トラックマッチ
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川上アキラ✕小島和宏
川上 間近でみる、タイガー・ジェット・シンの狂気とか。そのシンに追いかけられて逃げ惑うとか(笑)。もう完全に魅了されましたよね、プロレスに。そこからですよ、会場に足を運ぶようになったのは。
今でもやっぱり、アイドルというと「可愛い服着て、ニコニコしながら笑顔で歌っているだけ」なんて思っている人も多いですが、完全に認識が甘すぎます。
可愛い服着て、ニコニコ笑顔で歌うためには、めちゃくちゃな努力が必要なのです。
少なくとも、ぼんやり人生を生きているような人からは想像できないような努力が必要でしょう。
だけど、その努力を表立って見せないのがアイドルの凄いところ。
だけど、いつでも練習場で鍛えた「ナイフ」だけは胸にしまっておいて、いざというときは観客を圧倒するようなパフォーマンスを魅せるのです。
それこそがアイドルです。
これなんて完全にプロレスラーと一緒です。
このブログでは、けっこう前からプロレスとアイドルが見ているといったことを言ってきましたが、どこか似ているのかというと、やっぱりこういった華やかな世界でありながら、努力は欠かせず、それでいて、その努力は無闇に人前には見せないということだと思います。
「ももクロ✕プロレス」には、プロレスに必要なこと、アイドルに必要なこと。
そして、その両方に必要なことが詰まっている良本です。
もし、書店等で見てかけたときは購入してみてはいかがでしょう。
アイドルファンにも、プロレスファンにもオススメですよ。
印象に残ったフレーズ
川上:うーん、やっぱりリー・ガクスーを呼ぼうかな(笑)
リー・ガクスーも、キム・ヒュンハンも、ナム・サンコンも、呼ばなくていいです(笑)
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