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22人目の証言|『週プロ』黄金期 熱狂とその正体 活字プロレスとは何だったのか?

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「『週プロ』黄金期 熱狂とその正体 活字プロレスとは何だったのか?」を読んだ。

本書籍は、当時『週刊プロレス」に携わった方たちにインタビューを行い、週プロの黄金期とはなんだったのかを語ってもらうといったもの。

下記、書評抜粋。

「みんなで真剣に本気でプロレスに関わった。観た! 感じた! 語った! 狂喜乱舞した! 」(第二代編集長 ターザン山本)

『週刊プロレス』、全盛期には公称40万部を誇る怪物雑誌として多大なる影響力を持っていた。スキャンダラスな誌面、取材拒否など事件の数々……今だからこそ語れる『週プロ』の真実を当時の記者たちはもちろん、プロレスラーや団体関係者、鎬を削っていたライバル誌の記者たちの証言をもとに、インターネットが発達した現在では二度とないであろう活字プロレスという“熱狂”を検証します。

眠らない編集部が発信し続け、「業界」を震撼させた“活字”の正体とは、さまざまな形で『週プロ』に関わった21名の証言。

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インタビューに答えたのは、ターザン山本元編集長をはじめとする編集部員、ライバル誌『ゴング』の編集長や現役のレスラーなど21人。間近で週プロに携わってきた彼らの口から語られる証言は、週プロ信者の僕の心を熱くした。

でも、1人、足りないんじゃない?

週プロ黄金期を語る上で、もう1人、どうしても聞いておきたい人がいる。

それは、週刊プロレスを読んでいた読者だ。

というわけで、週プロレス購読歴20年の僕が、勝手に読者を代表し、インタビューをここに記す。

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22人目の証言/週プロ黄金期 熱狂とその正体

管理人:週刊プロレス購読歴20年以上、初めて買った週プロは新生UWFの神社長が表紙だったやつ。ほぼプロレスに興味がない状態から、大仁田厚にはまり、後楽園ホール、新木場1stリングを中心に、団体を問わずプロレス観戦を続ける。ウェブサイト『プロレスの魅力』を運営中。もともと、週プロの感想を書くサイトとして始めたが、今は趣味的要素が強くなっている。アイドルヲタク。

キン肉マンがやっているのがプロレス

--週プロを買い始めたきっかけを教えてください。

管理人 高校生のとき、友達にプロレス好きがいたので自然と読むようになりました。それまでプロレスにまったく興味がなかったんですよ。僕にとってプロレスといえばキン肉マン。漫画の中で超人がやっているのがプロレスであって、それ以外のプロレスは興味がなかったんです。

--逆転現象?プロレスがあってのキン肉マンなのに、キン肉マンがあってのプロレス?

管理人 はい、キン肉マン大好きなので。後はファミコンでプロレスゲームをやっていましたね。プロレスは漫画やゲームの世界のものであって、あまり現実の世界で見るものではないと思っていました。

--いきなり、週プロを買うほどプロレスにはまった?

管理人 きっかけはよく覚えてないんですよね。ただ、PCエンジンの『ファイヤープロレスリング』の対戦モードが好きで、ずっと友達と遊んでいました。それでプロレスっておもしろいなって。後は、深夜ラジオとか友達の影響とか、いろんなものがミックスされて、気づいたら週プロを買うくらいはまっていました。

ファイヤープロレスリング 1989年6月22日に発売されたPCエンジン用ソフト。ファイヤープロレスリングシリーズの第1作である。20年以上経った今でも続編が出る屈指の長寿作

--ゴングではなく、週プロを選んだのはなぜ?

管理人 最初に買ったのはゴングでした。で、その次の週は週プロというように、交互に買っていました。プロレス初心者だから違いが分かっていなかったんでしょうね。だんだんと友達がゴングを買って、僕が週プロを買うことに落ち着きました。学校に持っていって交換して読み合っていました。

--そのころは、週プロとゴングの違いは分かるようになっていました?

管理人 だいぶ分かるようになってきましたね。よく言われているように、週プロは、記者が思い入れを誌面から届けているのに対し、ゴングは事実をありのまま届けていると感じていました。僕は週プロのほうが好きでした。周りにプロレスを語れる友達がそんなにいなかったから、誌面を通して誰かの意見を聞きたかったんだと思います。

--なるほど、週刊プロレスが友達代わり(笑)。

管理人 ただ、週プロは深読みしすぎだろって思うこともありました。たとえば、あるレスラーが普段は出さないドロップキックを出したとする。そのドロップキックは若手のころにさんざん道場で練習した技で、同期と久々の対戦で、あの頃を思い出しながら出したんだなんて記事を見て、「考え過ぎだろ!」って突っ込んでしました。

--「なんとなく、出したかったから出したんだろ!」って(笑)。

管理人 でも、今ブログを書くようになって、週プロの記者の気持ちが少し分かった気がします。なんでもない技から想像力を駆使して広げないと記事は書けない(笑)。

天龍源一郎って誰?

--SWSの取材拒否は、気になりませんでした?

管理人 そもそも僕は天龍さんのこと、ほとんど知らなかったんですよね。それまでプロレスに興味がなかったから、天龍革命どころか、天龍さんのことも知らなかった。「天龍源一郎って誰?」って感じで。週プロを買い始めたころはSWSが載っていましたが、しばらくし載らなくなりました。でも、載らなくても気にならなかった。週プロは、ずっと「SWSはつまらない」みたいなこと書いていたから、載らなくてもいいんじゃないと思っていました。

--むしろ、SWSが載らないことで、新日本や全日本のページが増えて良かったと。

管理人 まさにそんな感じでした。でも、僕、実はSWSの神戸ワールド記念ホール大会を見に行ってるんですよ。

SWS神戸ワールド記念ホール大会 1990年4月開催。北尾光司の八百長発言、鈴木みのるセメント疑惑など物議を醸した。メインはホーガンvs谷津。

--えっ!?なんでまた?

管理人 友達がチケット持ってたんです。「メガネ屋でもらった」って言ってました(笑)。じゃ、せっかくだから見に行ってみようと。実家が関西なんで、神戸もわりかし近かったんです。

--試合は、どうでした?

管理人 試合はよく覚えていないですね。ファイプロの外国人が出ているなと思っていました。

--「マックス・モーガン」と「アーバン・ブラスターズ」(笑)。

管理人 それよりも、試合前の売店が印象的でした。売店のスタッフが、売り上げをぜんぶ足元のダンボール箱に無造作に突っ込んでいくんですよ。グッズがけっこう売れていたから、ダンボール箱からお札が溢れていたりして。それを見て「金権プロレスだ」と思ってました(笑)。

ふざけるな、週プロ!

--印象に残っている週プロはありますか?

管理人 どれがってわけではないですが、自分が見に行った試合が載っている週プロは印象に残っています。週プロの記者はどのように書いたのか、記者の感想(内容)と自分の感想を答え合わせするように読んでいました。写真もけっこう見ていて、こっちはお金がないので後ろの方の席しか買えない。だから、リングサイドから撮ったカメラマンの写真を見て、こんなふうに見えるんだなって思っていました。

--いつかリングサイドから見てやるって?

管理人 思っていましたね。まぁ、今でも安い席から見ていますけどね(笑)。あっ、でもFMWが大阪万博公園でやった「有刺鉄線バリケードマット地雷爆破デスマッチ」は週プロの記事に疑問を感じました。

--すごい、試合の名称を覚えている(笑)。

管理人 実は大仁田信者なんで(笑)。自分的にはあの試合はとんでもなくおもしろかったんですよ。試合前に爆破実験ってやるじゃないですか。その時の爆発音で僕はビビっちゃって。「これ、ホントにやるの?」てパニクってるところに、ワイルドシングがなって、大仁田さんが悲壮な顔つきで入場してくる。これだけで、できあがっていました。

--週プロが、表紙で大きく「デスマッチ大失敗」と書いた試合ですね。それも大仁田ではなく被爆したミスターポーゴの写真を大きく使って。

管理人 そうです、そうです。こっちはできあがっていたから何を見てもおもしろいんですよ。だから、大失敗って書いた表紙を見て「ふざけるな、週プロ!と憤っていました。

プロレスを俯瞰して見ていたい

--これからも週プロは買い続けますか?

管理人 たぶん書い続けると思います。今ってネットでどの試合でも見れちゃいますよね。でもネットだとあまりに量が多すぎて、どれから見ればいいのか分からないんですよ。第一、検索して能動的に探すのが面倒くさい。それが週プロだと、パラパラめくるだけで情報が手に入りますよね。プロの編集者を介しているので、ある程度の取捨選択はできている。プロの編集者が選択したプロレスを限られた誌面(情報量)で見れるというのは大きいです。今って、新日本しか見ないファンって多いですよね。あれって、膨大な量を取捨選択するのが面倒だから、新日本プロレスだけでいいやってなるんだと思います。それはそれでいいんですけど、僕はできるだけ俯瞰してプロレスを見ていたい。だからたぶん週プロは書い続けると思います。

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