ヤベーものを見た。これは書き記さなければいけない。何のために?自分のためにだ!この試合は間違いなく俺の人生のヤバかった記憶のひとつになる。だから書き記す!何年何十年後か分からないけど、きっと読み返すときが来る。だから今、今日に書き記す。
大仁田厚、FMWEを旗揚げ!
大仁田厚がFMWEを旗揚げする。旗揚げの地は鶴見青果市場だ!正直言って何が旗揚げなのかは分からない。これまでやってた試合と何が違うのかも分からない。でも、大仁田厚が旗揚げだと言うなら旗揚げだ!我々信者はそれに従う以外に他ならない。
鶴見青果市場
会場となった鶴見青果市場がヤバイ。実は行くのは初めてだけど名前は何度も聞いてきた。俺のようなアラフォー世代はいつか行きたい会場のひとつだが実際に行くとなると足が向かない。そんな会場だ。実際なかなか足が向かなかったが旗揚げ戦という魔力が俺を会場へと導いた。名前の通りかつては青果市場として使われいたようだが、今はもう使っていないらしい。でも天井が低く市場特有のどこかヤベー雰囲気が大仁田厚の旗揚げにマッチする。会場に入った瞬間、まだ試合も始まっていないのにテンションが上がる。
試合開始時間は12時だ!もちろん時間通りになんて始まらない。10分くらい押しただろうか?ようやく第一試合が始まった。もちろん待ってる間に不平を口にするものなど誰もいない。とにかく試合が始まった。
話は一気にメインへと進む。
大仁田、メインに立つ!
セミファイナルが終わってデスマッチ用の設営にしばし休憩を取る。休憩の間デスマッチ用の設営が着々と進む。有刺鉄線ボードに有刺鉄線バットに電流に爆破にいろいろとデスマッチ用のアイテムがリングに設営されていく。アイテムが設営されるごとにファンがスマホでカメラで写真を撮って歓声を上げていく。しばらくしてすべての設営が完了した。あとは主役の登場を待つばかりだ。会場の空気がはちきれんばかり、入場ゲートに大仁田厚が現れる瞬間を今か今かと待つ。待つ、待つ、待つ、待ちわびる!しかし、待っても待っても主役は現れない。試合が始まらない。なぜだか分からないけど、ドクターXのテーマが延々と会場に鳴り響く。
本当に延々と鳴り響く!曲が終わった瞬間、「これで終わりかな?」と何度思ったか分からない。何度の何度も繰り返しドクターXが鳴る。しまいには大門未知子が現れるんじゃないかと思うくらいに聞いた。そしてついにその時が来た!ついにヤベー試合が始まる。
ワイルド・シング
大門未知子の代わりに我らが大将大仁田厚のテーマ曲『ワイルド・シング』が鳴り響く!ファンの立てたノボリが一斉に揺らめく、大仁田厚がリングへと向かう!ヤッベーッ!時勢的時期的なものもあって座ったままだけど、気持ち的にはオールスタンディングだ!身の毛もよだつほどにオールスタンディング。今の時代のこれほどのカリスマはいるだろうか?出てきた瞬間テンションが上がる。
デスマッチ形式は試合開始前に説明があったけど忘れた。たしかロープの2面に有刺鉄線と爆薬が仕掛けられていて、正面側のリングサイドには特大級に爆発する有刺鉄線ボードが仕掛けられている。あと、爆破バットや爆破テーブルがあったはず。タイマーがどうとかも言っていた。とりあえず分からない。
序盤はお約束的に地味な攻防から始まる。はっきり言って普通に試合を見れるのは最初の5分くらいだ。そして5分を過ぎたあたりから試合が動き出す。大仁田が西側のロープに飛び込んだ!起こる爆発、ドンっ!
いや、すごすぎるだろ……、爆破の衝撃もヤベーが、何より音がすごい。新型コロナ的なことから声を出すことは禁じられているが、それでも声はでる。出ないほうがおかしい。もちろん場外戦だってある。
新型コロナ的に最近場外戦は禁じられていることが多いが大仁田厚には関係がない。客席の椅子を蹴散らしながらあちらこちらで場外戦が勃発する。観客は嬉しそうに逃げ惑う。再び戦場はリングに戻り二度目の爆発だ!今度の犠牲者は誰だ?よく分からない。このあたり記憶が曖昧だ。ついでに言うと時系列も曖昧だ。もしかしたら最初に場外戦があってその後に爆破だったかもしれない。でもそういうものだろう。
やがて宮本と小林が有刺鉄線バットを持つ。そして挟み込むように大仁田にフルスイングするとともに爆破の衝撃音が鳴り響く。リングサイドの客は鼓膜を痛めているのではと心配になるレベルだ。
大爆発大炎上!
ハイライトは唐突にやってきた。
正面側のエプロンに大仁田と小林が立つ。正面側の場外には何がある?特大級に爆発する有刺鉄線ボードだ!しばしの小競り合いを経て大仁田と小林が落ちる。同時に大爆発に大音響!
いやいや、それよりも煙が凄まじい。最初に書いたが鶴見青果市場は天井が低い。爆破であがった煙がまったく晴れないのだ。もうね、何も見えないのよ、煙で。それでも薄っすらと人影が見えるとかでなく本当に何も見えない。リングで誰かが戦っているらしいけど全然わからない。音だけがかすかに聞こえるくらいのレベル。
会場スタッフが必死にパタパタとさせて煙を場外に逃がす。場外を見るとパトカーが来ている。そりゃ来るだろう。ようやく煙が消えてきた。それでも人影がうっすらと分かるくらい。どうやら人影は机の上に乗っているようだ。となればアレが来る。パイルドライバーon the テーブルだ!
人影が急降下した瞬間にまた爆破!忘れていたけど、テーブルにも爆薬が仕掛けられているんだった。爆音の中、誰かがフォールを取られて中央には大仁田厚が勝ち名乗りを受けている。
試合が終わった。
大仁田劇場
後は大仁田劇場だ。新型コロナ的にリングを囲んでのオイオイオイはできない。できないけど水は撒き散らす。大団円のころにシャドーWXがやってきた。次の大阪大会での対戦を迫っているようだ。大阪は大仁田とポーゴが有刺鉄線地雷爆破デスマッチで戦った地だ!ポーゴの弟子とも言えるシャドーWXが名乗りを上げる。そしてビッグファイアーを決める。大仁田の体に火がついた。大阪での試合は決定的だ。満足そうに引き上げる。
残った大仁田は大仁田劇場を再開し売店へと消えていく。なぜ売店へ消えたのか?答えはサイン会・撮影会をやるためだ。ヤベーほどのダメージを負ったはずなのに、売店へ直行しすぐにサイン会・撮影会を行う。少しは休んだほうがいいのではと少し思うが、やっぱりサインはほしいし撮影はしたい。すぐにファンとの交流が始まる。もちろん俺もツーショットを撮った。「ファイアー、すごかったか!?」みたいなことを聞かれた。俺も興奮状態でよく覚えていないけど、すごかったですみたいなことを言った。そして会場を後にした。
とにかくヤベーものを見た!最近のプロレスって、けっこうシステマライズされてるじゃん。それはそれでいいんだけど、やっぱりこういうプロレスだって楽しい。はっきり言うとメインは、煙っててほとんど何も見えなかった。聞くところによると中継で見ていた人はほとんど煙で何も見えなかったらしい。でも大丈夫、会場にいた人だって何も見えなかった。でもおもしろかった。
とりあえず、今日の感想を一言で表すと「ヤベーものを見た」だ。これしかない。とにかく「ヤベーものを見た」。