プロレスラー川田利明が、デンジャラスKから麺ジャラスKになったのは約10年前のこと。
東京都世田谷区「成城学園前」駅に、麺と唐揚げの店『麺ジャラスK』をオープンした当初こそ、あの無骨な川田利明がラーメンを作っているのかと驚いたが、最近では多くの人に認知され、人気店(本人曰く全然だそうですが)となっている。
この度、川田さんが麺ジャラスとして培ってきた10年の経験をまとめた書籍『開業から3年以内に8割が潰れるラーメン屋を失敗を重ねながら10年も続けてきたプロレスラーが伝える「してはいけない」逆説ビジネス学」の発売を記念し、東京、八重洲ブックセンターにて「トーク&握手会&ツーショット撮影会(以下、俺だけのラーメンビジネス学)」が行われた。
このイベントに参加してきたので、今日はここに記したい。
めちゃくちゃお得なイベント
最初に感じたのは、めちゃくちゃお得なイベントだってこと。
だって、書籍『俺だけのラーメンビジネス学』を買いさえすれば、90分間のトークと質問コーナーに参加でき、さらには握手をしてのツーショット撮影までできるからだ。
比較になるか分からないが、地下アイドルのイベントだって、ここまでお得ではない。例えばキャパ50人くらいしか集客しないアイドル現場でも、この倍くらいの値段がかかるであろう。
事前募集段階で、定員の100人を大きく上回ったのだって頷ける、川田さんは「ゼロ人だったらどうしようと思っていた」ようだか、いやいや、そんなはずがあるわけない。
馬場さんが辿り着いた究極の料理とは?
まずは、高校時代、新人時代のエピソードを紹介。
この時点から川田さんが、ラーメン屋になる資質を持ちつつあることが明らかにされていく。ほとんどのプロレスファンが思ったであろう「なんで、川田はラーメン屋を始めたんだろう?」という大きな疑問は解けた。
正直、こうやって聞いているだけの僕たちは良いけど、当時を生き抜いてきた川田さんたちは大変だったんだろうなと思う。
天龍源一郎さんやグレート小鹿選手、渕正信さん、冬木弘道さんに三沢光晴さんが話に出てきて場を和ませる。
もっとも興味深かったのは、世界中の美食を味わってきたジャイアント馬場さんが「こんなに美味しいものは食べたことがない」と驚いた食品のこと。その食品は、僕を含めてほとんどの人が食べたことのあるものなのだから、人の味覚ってものは分からない。このあたりは、書籍にも書いていることなので、買って読んでみてほしい。
10年以上続くラーメン屋は、たったの1割!
いよいよ話題は、川田さんが「麺ジャラスK」をオープンしてからに触れていく。
毎年約3,000店がオープンし、約4割が1年以内に、約8割が3年以内に潰れていくというラーメン屋業界で、川田さんは「現役時代に購入したベンツ3台をラーメンのスープに溶かし(売却)ながら耐え続けたという。麺ジャラスKのように、10年以上続けられているラーメン屋は、たったの1割というのだから恐れ入る。
たしかに、僕の家や職場付近でも、出来てばかりの新しいラーメン屋が、すぐに潰れるのを見ることは少なくない。
では、10年以上も続けてきた麺ジャラスKは、そうとう儲かっているのかというと、まったくそうではないようで、今も毎日のように苦労が耐えないらしい。
ちょっとネタバレで恐縮だが、ラーメンにサービスで付けていたカレーを、サービスのカレーだけ無料でほしいという客や、380円のデザートを10人でシェアして居座る客がいたという。
商売というのは、プロレス以上に何が起こるか分からないものだ。
デンジャラスKから麺ジャラスKへ
トーク会全体を通して感じたのは、やっぱり川田さんは川田利明なんだなということだ。
本の冒頭で「デンジャラスKから麺ジャラスKへ」とあるが、これはデンジャラスKの延長上に麺ジャラスKがあるという意味のように思う。
プロレスラーはセミリタイヤ状態で、今のところ引退試合を行うつもりがない川田さんだが、リングから厨房へ場所を変えて戦っている。
麺ジャラスKに行こう!
川田利明さんが作る、ラーメンを味わいたければ、今すぐ成城学園前の「麺ジャラスK」へ行ってほしい!川田さんが魂こめて作ったラーメンを食べられます。
ただし、麺ジャラスKは、すべてのお客様が満足してラーメンを食べられるように、いくつかのルールがあります。
- 一人一杯ずつラーメンを頼む
- 店内での写真撮影は禁止
- ツーショット撮影はグッズを買った人のみ
この他にもルールは随時変更するので、川田さんのTwitter(@orenooudou)などで確認してほしい。ちょっと面倒かもしれないが、すべてラーメンを美味しく食べるため。ラーメン屋なので、ラーメンを美味しく食べることが最優先なのだ。
初めてなので何を食べていいか分からないときは、定番メニューのカレー白湯ラーメンを食べてほしいとのこと。川田さん曰く、麺ジャラスKの代表的なラーメンで、いわゆる、麺ジャラスKの王道的なメニューなのが理由。
川田さんの、俺だけの王道麺を味わってください。