【10万文字以上】内藤哲也が支持される理由

内藤哲也【新日本プロレス】の話術(マイク)が説得力を持つ理由

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内藤哲也【新日本プロレス】の話術(マイク)が説得力を持つ理由

新日本プロレスで、トップレベルの説得力を持つ、内藤哲也選手の話術(マイク)

聞いている我々も、思わず「なるほど」と唸ってしまうようなことが多いです。なぜ、内藤哲也選手の話術には、これほど説得力があるのでしょう?

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一貫性の法則

人間は、自分で何かを決めたり、立場を明確したりすると、最後まで一貫性を持った行動をしようとする心理が働きます。

例えば、「環境問題に興味ありますか?」と聞かれ、「はい」と答えた後に、「環境を守るため、寄付をしてください」とお願いされると、断りにくくなりますよね。

この心理的作用を、一貫性の法則と言います。

この一貫性の法則は、人間の行動を動機づける強力な力を持っています。

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内藤哲也の話術

内藤哲也選手の発言を聞いていると、この一貫性の法則を上手く利用していることが分かります。

例えば、2017年に棚橋弘至選手と繰り広げた論説がこれ。

試合後、内藤はマイクを握り、「ブエノスノチェ~ス、代々木~! 新日本プロレスを、いや、われわれL・I・Jを応援してくださる代々木のお客様。このあと、大阪城ホール……」としゃべっていると、棚橋が入場ゲートに登場。場内からは「棚橋」コールが起こる。
棚橋はマイクを持ってエプロンに立つ。すかさず内藤が「これはこれは負傷欠場中の棚橋選手。俺が何度呼びかけても会場に来なかったクセに、今日はどうなされたんですか?」と問いかけると、棚橋はリングイン。
それを見て内藤は「もしかして、大阪城ホール、欠場の挨拶でもしに来たんですか? せっかく会場に来たなら、われわれL・I・Jを応援してくださる、代々木のお客様に、何か挨拶してみろよ、カプロン」と挑発。
すると、棚橋は「待て待て待て。ヒーローは遅れて登場するんだよ。内藤クン、今日もご機嫌ですね。お山の大将、いや、猿山の大将。(場外のヒロムとEVILを指し)キミとキミは猿感あるよ(場内笑)。内藤クンがさ、アセんなよっていうから、しっかり治療ができました。たまにはいいこと言うよね。はあ……。(場内を見渡し)いいねえ、この感じ。さ、いよいよ大阪城ホール。内藤クン。(ここで野次が飛ぶと)なんて? ハッキリ言え、コノヤロー。ナメんなよ。俺はな、怒ってんだよ。じゃあ、そろそろ、決着……。(野次に対して)どうやら、俺のことが嫌いらしいな。まあ、見とけよ、大阪城ホール(場内拍手)。はあ、ひさしぶりにスッキリした!」とアピール。

引用 新日本プロレス公式サイト

内藤哲也選手は、負傷欠場中の棚橋弘至選手へ、「何度呼びかけても会場に来なかった」ことを指摘し、ファンに不誠実という立場を明確にします。

負傷欠場中なんだから、会場に来る必要なんてなかったのに、棚橋弘至選手は不誠実な立場を受け入れたままマイクを続けました。

話している間に野次が飛んだように、棚橋弘至選手は不誠実という立場のままエンディングを迎えます。

観客に「棚橋はおかしい、内藤が正しい」という印象を与えることができたのです。

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なぜ一貫性を持たせる?

なぜ、このようなことが起こるのでしょうか?

それは、社会生活において、一貫していることは高い価値を持つからです。

一般的に、一貫性のある人は、誠実であり、理論的であり、人格的にも知的にも優れていると考えられています。

もしも、昨日言っていたことと、今日言っていることが違えば、いい加減な人だと思いますよね。そんな人が何かを約束しても、信頼することはできません。

けど、無理に一貫性を持たせると、どうやっても矛盾が生じてしまうのです。

内藤哲也選手はこの矛盾を、上手く利用して発言に説得力を増しているのです。

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内藤哲也が法則を利用できる理由

では、なぜ内藤哲也選手は、この一貫性の法則を使って説得力を増すことができたのでしょうか?

それは、過去に内藤哲也選手自身が、一貫性の法則に苦しめられた経験を持つからです。

内藤哲也選手が中学生のときに立てた目標を思い出してみてください。

  1. 新日本プロレスのレスラーになる
  2. 20代でIWGPヘビー級王座を巻く
  3. 東京ドームのメインに立つ

目標を立てた内藤哲也選手は、目標を立てることで「一貫性の法則」に縛られてしまいました。

新日本プロレスのレスラーはこうでなくてはならない、IWGPヘビー級王座はこうでなくてはならない、ドームのメインに立つレスラーはこうでなくてはならない…というようにです。

こうあるべき理由なんて、どこにもないにも関わらず、自分の言ったことに一貫性を持たせるため、行動に大きな制限をかけてしまったのです。

その結果、観客からの返答は、容赦のない大ブーイングでした。

一貫性を持たせることに固執し、今するべきことが見えなくなってしまったんですね。

これに気づいたのが、2014年のメキシコ遠征。自由な風に吹かれた内藤哲也選手は、一貫させる必要なんてないことに気づきます。

帰国してからの内藤哲也選手は、中学生のときに立てた目標をいったん脇にやり、制御不能と化して自由に行動することを始めました。

その結果が、今の人気へと繋がります。中学生のときに立てた目標も達成することもできたのです。

 

内藤哲也選手の話術に説得力があるのは、一貫性の法則を上手く使っているから。

こうして、内藤哲也選手は、新日本プロレスでトップレベルの説得力を持つ話術を手に入れたのです。

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