新日本プロレスのG1クラマックスで、毎年問題になるのが出場選手枠。
「この選手が出場しないのはおかしい、あの選手が出場しているのはおかしい」といった声が方々から聞こえてくることも珍しくありません。
しかし、出場選手枠以上に注目したいのが、G1クライマックスのメインイベントに出た回数。
なぜなら、ドル箱興行であるG1クライマックスでは、集まった観客に満足を与え、次の来場に繋げることこそが何より重要。
そして、その重責を担うのがメインイベンターと呼ばれるの存在です。
メインイベントに出場した選手、とりわけメインイベントに勝って大会を締める選手こそが、G1クライマックスにおいて何より評価されるべき選手なのです。
そこで今回は、G1クライマックスで、どの選手がどれだけメインイベントに登場し、何回メインを締めたかを数値化してご紹介したいと思います。
G1クライマックス、メインに登場した回数を数値化
2016年のG1クライマックスは、A・Bブロックに分けて18大会。両国国技館での決勝戦を加えると全19大会が開催。
下記に全19大会の会場、そしてメインイベントのカードとセミファイナルのカードを羅列しました。。
勝利をおさめた選手の名前を左側に記載しています。
G1クライマックス結果表
2016/07/18(月)北海道・北海道立総合体育センター 北海きたえーる
観衆:5,533人(超満員)
- 丸藤 正道vsオカダ・カズチカ
- SANADAvs棚橋 弘至
2016/07/22(金)東京・後楽園ホール
観衆:1,738人(超満員札止め)
- 本間 朋晃vs柴田 勝頼
- 永田 裕志vs内藤 哲也
2016/07/23(土)東京・町田市立総合体育館
観衆:4,630人(超満員札止め)
- 真壁 刀義vs棚橋 弘至
- オカダ・カズチカvsSANADA
2016/07/24(日)東京・後楽園ホール
観衆:1,744人(超満員札止め)
- 内藤 哲也vsマイケル・エルガン
- 柴田 勝頼vs中嶋 勝彦
2016/07/25(月)福島・ビッグパレットふくしま
観衆:2,500人(超満員札止め)
- オカダ・カズチカvs後藤 洋央紀
- タマ・トンガvs棚橋 弘至
2016/07/27(水)長野・ビッグハット
観衆:1,730人
- マイケル・エルガンvs柴田 勝頼
- ケニー・オメガvs本間 朋晃
2016/07/28(木)埼玉・所沢市民体育館
観衆:1,511人
- 棚橋 弘至vsバッドラック・ファレ
- オカダ・カズチカvsタマ・トンガ
2016/07/30(土)愛知・愛知県体育館
観衆:5,500人(超満員)
- 柴田 勝頼vs内藤 哲也
- マイケル・エルガンvsケニー・オメガ
2016/07/31(日)岐阜・岐阜産業会館
観衆:2,581人(超満員札止め)
- 棚橋 弘至vs後藤 洋央紀
- オカダ・カズチカvs天山 広吉
2016/08/01(月)香川・高松市総合体育館
観衆:2,144人
- 内藤 哲也vs本間 朋晃
- ケニー・オメガvs“キング・オブ・ダークネス”EVIL
2016/08/03(水) 鹿児島・鹿児島アリーナ
観衆:3,202人(超満員)
- オカダ・カズチカvs真壁 刀義
- 棚橋 弘至vs石井 智宏
2016/08/04(木)福岡・福岡市民体育館
観衆:2,573人(満員)
- 内藤 哲也vs中嶋 勝彦
- 柴田 勝頼vsケニー・オメガ
2016/08/06(土)大阪・大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)
観衆:5,270人(超満員札止め)
- 棚橋 弘至vs丸藤 正道
- 石井 智宏vsオカダ・カズチカ
2016/08/07(日)静岡・アクトシティ浜松
観衆:3,200人(超満員札止め)
- 内藤 哲也vs“キング・オブ・ダークネス”EVIL
- ケニー・オメガvs永田 裕志
2016/08/08(月)神奈川・横浜文化体育館
観衆:4,065人(超満員)
- 後藤 洋央紀vs真壁 刀義
- バッドラック・ファレvsオカダ・カズチカ
2016/08/10山形・山形市総合スポーツセンター
観衆:2,183人
- マイケル・エルガンvs本間 朋晃
- 柴田 勝頼vs永田 裕志
2016/08/12(金)東京・両国国技館
観衆:6,598人(満員)
- オカダ・カズチカvs棚橋 弘至(分け)
- 後藤 洋央紀vs丸藤 正道
2016/08/13(土)東京・両国国技館
観衆:7,477人(超満員)
- ケニー・オメガvs内藤 哲也
- 中嶋 勝彦vsマイケル・エルガン
2016/08/14(日)東京・両国国技館
観衆:10,204人(超満員札止め)
- ケニー・オメガvs後藤 洋央紀
※選手の敬称は省略しています。
そして、これを分かりやすく数値化するために、下記のように得点を付与してみます。
- メインイベントで勝利=3点
- メインイベントで敗戦=2点
- メインイベントで引分=2.5点
- セミファイナルに出場=1点
メインイベントの勝敗に点差を付けているのは、通例として勝った選手が大会を締めることが多いから。
逆にセミファイナルでは、勝っても負けても大会を締めることはないので、勝敗に関わらず1点ずつとしています。
その結果が下記の通り。
これだけでも十分、メインイベントの重責を果たした選手を計測することはできますが、今回はさらに観客動員数も上記の数値の考慮してみます。
上記の数字に、新日本プロレスが発表した観客動員数を掛け算し、出場した選手がどれだけの観客を満足させたのかを数値化しました。
例:観客数4,065人の大会のメインイベントで勝利を収めた
→3点×4,065人=12,195点
このポイントは、観客数2,000人の会場よりも、観客数10,000人の会場を締めるほうが重圧がかかるであろうことが付与した理由。
実際に、1万人以上を集めた、超満員の両国国技館を締めたケニー・オメガ選手の重圧は相当なものでしょう。
それでは実際に見ていきます。
G1クライマックス・メイン出場回数
本来であれば、全出場選手の数値を発表したいところですが、諸々の都合上ベスト10のみの発表とさせていただきます。
メインイベント出場回数ベスト10
第10位
本間朋晃選手(15,598点)
人気者・本間朋晃選手が10位にランクインです。勝利数は伸びなかったものの、実は9戦の公式戦でメインイベントに3回出場。開幕戦ではNEVER無差別級王者の柴田選手から勝利を奪っています。2016年下半期もコケシ旋風が巻き起こりそうです。
第9位
マイケル・エルガン選手(28,204点)
新日本プロレスの頼れる助っ人マイケル・エルガン選手が9位に入りました。メインイベントに3回出場し、2回に勝利しマイクで締めています。しかし、IWGPインターコンチネンタル王者としては不本意な成績。巻き返しに期待します。
第8位
真壁刀義(28,424点)
開幕から4連勝もその後が続かず5連敗で負け越し。8位ながらも勝敗と同じように納得できる数字ではないでしょう。観客支持率は新日本プロレスの中でもトップクラスの選手。このままでは終われません。
第7位
柴田勝頼(29,936点)
NEVER無差別級王者の柴田選手が7位です。メイン・セミで出場する機会は多かったのですが、選手層の厚い新日本プロレスではこの結果となりました。ケニー・オメガ選手から勝利を奪っていますが、今のところ挑戦への機運は高まっていないようです。。どのように動くかに注目が集まります。
第6位
丸藤正道(33,737点)
開幕戦でオカダ選手をやぶった丸藤選手が6位となりました。注目度は高かったのですが、意外とメインイベントへの出場回数は2回のみ。G1クライマックスは個人戦でしたが、今後はノアの丸藤として新日本プロレスに挑むのでしょうか。
第5位
後藤洋央紀(49,435点)
誰もが予想できなかった決勝進出の後藤選手が5位にランクイン。同じブロックにオカダ選手、棚橋選手がいたため、メインイベントでの登場回数が少なく、数字が伸びませんでした。G1クライマックスでは、準優勝の選手にはあまり活躍の場が与えられることはありませんが、決勝戦での激闘は間違いなく後藤選手あってのもの。今度こそは後藤選手の奮起がありえます。
第4位
内藤哲也(56,675点)
開幕前から支持率の高かった内藤選手が4位となりました。2016年上半期は新日本プロレスの顔となるものの、ベルトを獲られたことで少し失速したことが影響したのか、ベスト3を逃しました。下半期はIWGPインターコンチネンタルに照準を合わすのでしょうか。
第3位
オカダ・カズチカ(62,724点)
ここからは6万点越え。最終戦を除く、全ての大会でメイン・セミに出場したのはオカダ選手のみ。しかし、IWGPヘビー級王者のオカダ選手にとって、3位という成績も、5勝3敗1分という戦績も満足いくものではありません。2016年下半期は、不覚をとった相手に借りを返し、東京ドーム大会のメインを狙う闘いとなります。
第2位
棚橋弘至(65,076点)
欠場明けながらも、メインイベント登場回数5回の棚橋選手が2位になりました。しかし、G1クライマックス以降のテーマがいまいち見えてきません。まずは、開幕戦で不覚をとったSANADA選手との抗争からスタートでしょうか。
第1位
ケニー・オメガ(68,298点)
誰もが予想しなかったケニー・オメガ選手が1位に輝きました。序盤はメインイベントでの登場はありませんでしたが、両国での公式戦最終、そして決勝戦でメインに登場し、いっきに逆転です。英語でのマイクながら観客の心を掴むことにも成功。新しい新日本プロレスのエース外国人を作り上げました。
まさかの優勝に続き、まさかの東京ドームメインイベントの座もキープすることができるのか。目が離せません。
ケニー・オメガ中心の新日本プロレスは…
結果からみると、会場人気の高い内藤選手、オカダ選手、棚橋選手がやはりG1クライマックス中もメインイベントに起用される回数が多かったことが分かります。
そしてその三人をおさえて、見事に1位に輝いたケニー・オメガ選手はもっと評価されて良い選手でしょう。
実際にメインイベントで勝利を収め、大会を締めた決勝戦では爆発的なケニーコールを巻き起こしました。
集客力、試合の完成度を含めて、新日本プロレスの世界戦略に必要不可欠な選手です。
ケニー・オメガ選手を中心とする新日本プロレス、ありえます。