最大10連休と長かったゴールデンウィークも終わり。
人が休んでいるときに働くことこそがエンターテインメントに身を置く者の宿命!
プロレス界でもその宿命に抗うことなく、ゴールデンウィーク中は数多くの注目の試合が組まれていました。
その中でも、プロレス界の注目を一手に惹きつける試合といえば、愛知県立体育館で行われたドラゴンゲートの「マスカラ・コントラ・カベジェラ(1yearポールヘッド)金網サバイバルダブルリスク6WAYマッチ」ではないでしょうか。
とはいえ、プロレスは見るけどドラゴンゲートはあまり見ないという人や、ドラゴンゲートは気にするけど試合形式が複雑すぎてよく分からないという理由で、この「マスカラ・コントラ・カベジェラ(1yearポールヘッド)金網サバイバルダブルリスク6WAYマッチ」を敬遠している人も多いように思います。
そこで、おっさんのわりにはドラゴンゲートをよく見てる私が、「マスカラ・コントラ・カベジェラ(1yearポールヘッド)金網サバイバルダブルリスク6WAYマッチ」の魅力を頑張って伝えてみたいと思います。
マスカラ・コントラ・カベジェラ(1yearポールヘッド)金網サバイバルダブルリスク6WAYマッチ
試合形式について
さて、ドラゴンゲートでは試合の前に試合に至るまでの背景を頭に入れておかなければ話になりません。
最初に、なぜ「マスカラ・コントラ・カベジェラ(1yearポールヘッド)金網サバイバルダブルリスク6WAYマッチ」が行われるのかを説明します。
6WAYマッチと言うからには、試合を行なう選手は6人です。
この6人がどういった選手たちかと言うと、VERSERK(ヴェルセルク)という同じユニットに所属する選手たち。
同じユニットいうだけあって元々は協力体制にありましたが、ささいなイザコザから亀裂が入りユニットの絆は真っ二つ。
その亀裂はいよいよ修復不可能となって、「マスカラ・コントラ・カベジェラ(1yearポールヘッド)金網サバイバルダブルリスク6WAYマッチ」で遺恨決着となったのです。
金網に入る選手は、鷹木信吾選手、サイバー・コング選手、Kotoka選手、YAMATO選手、土井成樹選手、谷嵜なおき選手の6人です。
対立の図式としては、第22代ドリームゲート王者の鷹木選手を中心にサイバ・コング選手にKotoka選手の3人。
そしてYAMATO選手と土井成樹選手の第37代ツインゲート王者に谷嵜なおき選手の3人となります。
ちょうど3人対3人となっていますが、6人タッグマッチではなく6人が同時に入り乱れて闘う6WAY方式。それを金網を使ったエスケープ方式で完全決着となるのです。
ややこしいのが、それぞれの選手ごとにつく指定選手と言う存在。
指定選手とは、事前に土井ダーツというくじびきのようなもので金網に闘う選手ごとに二人が選抜されます。
シングルで闘って負けたほうが指定選手となり、金網戦で闘う選手が勝利するよう金網の外からアシストするのです。
指定選手はアシストする選手が誰かからフォール、ギブアップを奪えば解除(開放)されめでたく自由の身。
しかし、アシストする選手が誰からもフォール、ギブアップを奪えなければ一緒に丸坊主にならなければいけません。
だから、必死で金網で闘う選手をアシストするのです。
ポイントは、指定選手がどの選手をアシストするのかというのは自分では選べないということ。
つまり、アシストする選手が好きであろうと嫌いであろうとアシストしなければならないのです。そうでなければ自分も丸坊主になるだけ。
組み合わせによっては対立している選手同士が協力関係を結ぶということだってあります。
事実、この日はパンチ富永選手が大嫌いな鷹木信吾選手の指定選手となったり、前に所属していたユニットを裏切った谷嵜なおき選手の指定選手に裏切られた斎藤“ジミー”了選手が付いたりしていました。
指定選手となる選手の力量によって試合の進め方が大きく変わるだけに、誰が誰の指定選手になるかも注目の一つなのです。
ここまでが、試合が始まる前までの基礎知識です。う~ん、分かりにくい…でも、頑張って理解しましょう。
試合中の身どころ
「マスカラ・コントラ・カベジェラ(1yearポールヘッド)金網サバイバルダブルリスク6WAYマッチ」は6WAYマッチだけに見どころはたくさんです。
しかし、全てを挙げてしまえばサーバーの容量がどれだけあっても足りないので、ここでは一つに絞って説明します。
それは、エスケープという試合形式。
もちろん勝利のためには、さっさと金網最上段に設置された旗を手にして金網の外にエスケープするのが大切なのです。
しかし前述の通り「マスカラ・コントラ・カベジェラ(1yearポールヘッド)金網サバイバルダブルリスク6WAYマッチ」は6WAY戦であり遺恨清算マッチです。
仮に一人の選手がさっさとエスケープしてしまうと、自ずとリング内は3vs3の図式から3vs2のハンディキャップ状態となってしまいます。
3vs2だとまだ良いのですが、状況によっては3vs1になることだってありますし、2vs1になってしまうことだって考えられます。
それでも自分のためにさっさとエスケープするか、残った選手のことを考えて金網に残り続けるかどうかは試合の大きなポイントです。
実際に試合中では、谷嵜なおき選手やサイバー・コング選手が自軍の選手を残しさっさとエスケープしたのに対し、タッグを組むYAMATO選手と土井成樹選手は、それぞれパートナーを見殺しにできずエスケープできるチャンスを逃してリングに舞い戻ってくる場面がありました。
このあたりのチーム戦はユニット抗争の歴史が長いドラゴンゲートならではです。
さらに指定選手と闘う選手の関係も見どころがたっぷりです。
大嫌いな鷹木信吾選手の指定選手となったパンチ富永選手は、最初こそ甲斐甲斐しく鷹木信吾選手をアシストしていましたが、鷹木信吾選手がフォールを奪い、自分が指定選手から解除されると同時に鷹木の邪魔に入ります。
こういった人間模様はドラゴンゲートの真骨頂です。観客の心を揺さぶります。
また、先にエスケープした選手が試合へ介入することだってあります。これを利用したのが谷嵜なおき選手で、味方であるはずのYAMATO選手がエスケープするのを金網の外から手助けすると見せかけて裏切りのミストを浴びせると言う場面もありました。
途中でレフェリーが試合に巻き込まれてダウンをしたときには、先にエスケープした選手が金網のロックを外して乱入し試合に介入することもありました。
この乱入で試合は一気に荒れ模様へと加速しました。
この乱入で、タッグを組むYAMATO選手に土井成樹選手が反旗を翻し、試合を優位に進めていたYAMATO選手が孤立します。
それを合図に3人vs3人であったはずのヴェルセルクの遺恨清算マッチが、YAMATO選手一人に対してヴェルセルク全員が攻撃を加える凄惨マッチへと変貌を遂げました。
ここで、孤立するYAMATO選手のの救出に駆けつけたのが、どのユニットにも所属していないKzy選手、ヨースケ・サンタマリア選手、そして欠場中のBB・ハルク選手でした。
突然の孤立から、突然の思わぬ仲間の救出に戸惑うYAMATO選手を愛知県体育館に集まった観客は大歓声で後押し。
最後は、実力差を見せ付けてYAMATO選手がKotoka選手をKOし、エスケープに成功です。
ヴェルセルクという悪のユニットに所属しながらも開場人気の高いYAMATO選手が苦しみながらもエスケープに成功。そしてまさかのベビーターンというハッピーエンドで「マスカラ・コントラ・カベジェラ(1yearポールヘッド)金網サバイバルダブルリスク6WAYマッチ」は幕を閉じました。
最後は、YAMATO選手が救援に駆けつけてくれた選手と新ユニット結成を示唆しながらマイクで感謝の言葉をこめてエンディングです。
ドラゴンゲート未体験の人は観戦してみては?
うん、これを読んで、「なるほど」と思った人はいるのでしょうか?
おそらくれ誰もいないでしょう。なので、詳しい試合経過は他のニュースサイトやブログを読んでみてください。
とにかく大混乱の大混戦。だけどおもしろかったと言うことがが伝われば幸いです。
「マスカラ・コントラ・カベジェラ(1yearポールヘッド)金網サバイバルダブルリスク6WAYマッチ」では試合開始から試合終了まで46分15秒という長丁場でした。
しかし、途中でだれることが全くない好勝負。
今回はテレビでの観戦でしたがおもしろい!一度開場でドラゴンゲートを観戦してみてはいかが。

