内藤哲也と鈴木みのる【新日本プロレス】は正しい怒り方を知っている

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内藤哲也と鈴木みのる【新日本プロレス】は正しい怒り方を知っている
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「怒り」という感情を分析してみると、2つに分けることができます。

「過ちを正したい」とういう感情に基づく前向きな怒りと、「単に相手を許せない」という感情に基づく後ろ向きな怒りの2つです。

前者が、「その怒りの原因はなんだったのか?避けることはできなかったのか?」というように、過ちを是正することに焦点が当てられるのに対し、後者は単純に、「ふざけるな!」というように、自分の感情を誰かに撒き散らしたい欲求に焦点が当てられているのが違いです。

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二種類の怒りの感情

とはいえ、これだけですと分かりにくいので、例を挙げて説明してみましょう。

ある新入社員が重大なミスをし、会社に多大な損失を与えたとします。

その時、あなたはミスによって生じた仕事の穴埋めに奔走し、各方面に頭を下げ、さらにはその上の上司から叱責され、あなたの評判はダダ下がりとなりました。

あなたは立場上、その新入社員を怒らなければなりません。

後ろ向きな怒り

あなたが、新入社員を「何やってんだ!」と怒鳴りつけることは簡単です。

さらに、数時間に渡って説教し、何かにつけてネチネチと蒸し返すことも簡単です。

もしかすると、新入社員を自分の部署から追い出すかもしれませんし、場合によっては会社を辞めさせるかもしれません。

これにより、あなたの溜飲も少しは下がることでしょう。

しかし、だからといって、この怒り方が何かを生み出すことは、絶対にありません。

ミスをした新入社員は、怒られて嫌な気持ちになりますし、怒ったあなただって嫌な気持ちになるだけです。

この怒り方は、ミスをしたから怒るという薄っぺらい正義を盾に、自分の感情をぶちまけているだけなのです。

これが、後ろ向きな怒りです。

前向きな怒り

こう考えてみてはいかがでしょうか。

なぜ、新入社員はミスをしてしまったのか?

ミスを事前に察知する術はなかったのか?

ミスが深刻な問題となる前に、誰かが知る方法はなかったのか?

そもそも、新入社員には負荷が掛かりすぎる仕事ではなかったのか?

怒りをぶちまける前に、ミスがミスとして、多大な損失が発生するまで放置されていたことに怒りを感じ、問題を是正することを念頭に置く。

その上で、新入社員に落ち度があったなら、叱責します。

ミスの原因を分析し、原因を取り除くことで、二度と同じミスは繰り返されることがなくなるのです。

これが、前向きな怒りです。

プロレスにおける怒りとは?

さて、これをプロレスに置き換えて考えてみましょう。

プロレスでは、「怒り」という表現手段が非常に多く使われます。

すなわち、

  • 相手から技を喰らって、怒る。
  • 相手に挑発されて、怒る。
  • パートナーに裏切られて、怒る。
  • 試合後に乱入されて、怒る。
  • 公開調印式で襲撃されて、怒る。
  • 大切なチャンピオンベルトを粗末に扱われて、怒る。

怒る理由はさまざまですが、プロレスラーは怒りという表現を多用します。

そして、彼らがどのようにして、その怒りを解消するのかというと…。

残念ながら多くのプロレスラーは、怒りを、「後ろ向きの怒り」で解消しようするのです。

つまり、

  • 相手から技を喰らったから、やり返す。
  • 挑発されたから、やり返す。
  • 乱入されたから、やり返す。
  • 公開調印式で襲撃されたから、やり返す。
  • ベルトを粗末に扱われたから、やり返す。

単純に「許せない」という感情が優先され、対象となる相手にやり返す。

やり返すことによって、一時的にはスッキリするでしょう。

しかし、これではなんの解決にもならないのは明らか。

なぜなら、やり返された相手も同じように怒るからです。

こうなったら後は無限ループ。

やり返されたほうがやり返して、さらにやられた方がやり返す…。

そこに観客は不在です。

ヒートアップする当の選手とは反対に、観客はどんどん冷めてしまいます。

なぜなら、選手と観客では、「怒り」の感情を共有できないから。

しまいには、選手が何に対して怒っているのかも忘れて、試合に対する興味も薄れていくのです。

観客の支持を集める怒り方

今の新日本プロレスには、怒りを上手くコントロールし、観客の支持を集めている選手が二人います。

内藤哲也選手と鈴木みのる選手です。

彼ら二人は、この「怒り」の使い方に長けています。

目の前の相手を許せないという事態が生じても、単純な怒りを見せることはありません。

いつだって怒りの矛先は、それを取り巻く「体勢」に向けられます。

  • 新日本プロレスが、一人の選手に2億円をかけて売り出そうとした。だから、怒る。
  • 新日本プロレスが、一人の選手の意見ばかりを優先した。だから、怒る。
  • 新日本プロレスが、不可解なファン投票で試合順を操作した。だから、怒る。
  • 新日本プロレスが、闘いを軽く考えている。だから、怒る。
  • 新日本プロレスが、マンネリ化している。だから、怒る。

プロレスを取り巻く、いろいろなことに怒りを感じますが、単純に、対象となる選手を見つけて、殴り掛かるようなことはしません。

「なぜそうなってしまったのか?」

「観客は何を求めているのか?」

しっかりと原因を見極め、どこに問題があるのか判断した上で「怒り」をぶつけます。

重要なのは、「怒り」の対象が、徹底して観客目線だということです。

ファンが疑問に感じていることを共有し、そして怒るから、内藤哲也選手と鈴木みのる選手は、観客の支持を得られるのです。

現在のプロレスは、安っぽいギミックや、偽りの感情では、観客を欺くことはできません。

ファンが何を考えて、何をプロレスに求めているのか?

敏感に察知できる、内藤哲也選手と鈴木みのる選手のいる、新日本プロレスは強いよ。

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