スターダム後楽園!世Ⅳ虎vs安川惡斗の凄惨マッチを考える

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スターダム後楽園!世Ⅳ虎vs安川惡斗の凄惨マッチを考える
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スターダム2.22後楽園ホール大会のメインイベントで、女子プロレス史上に残る凄惨事件が発生。

タイトルマッチの最中で、王者世Ⅳ虎選手が、挑戦者安川惡斗選手を必要以上に痛めつけ、結果、安川惡斗選手の顔面が大きく腫れ上がり、後遺症が残るほどの重症を追わせてしまったのです。

アクシデントとして片付けてしまうには、あまりに意図的なものを感じるような試合でした。

プロのレスラーとして、故意に相手に怪我をさせるなんて論外ですし、故意でなかったとしてもここまでの怪我はそうそうするもんではありません。

命の別状がなかったこと、そして、現状ではまだ分かりませんが後遺症の残る類の怪我ではなかったことに胸をなで下ろしています。

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不完全燃焼で終わることもあります

タイトルマッチとはいえ、プロレスの試合が不完全燃焼で終わることは、よくあることです。

試合は水物なので、不完全燃焼で終わることについては構いません。

プロレスが生の興行である以上、かならず完全燃焼するなんてことはありえませんし、時にはバッドエンドで終わるときもあることでしょう。

だけど、観にきたお客さんに不快な思いをさせるような試合だけは避けてほしいです。

プロレスが注目を浴びている今だからこそ、どの団体も気をつけて取り組んでほしいと思います。

見えるようになったらまた元気な姿見せてスターダムかき乱してやるからな!だからてめーら待ってろよ!

2月23日付の安川惡斗選手のブログ「昨日のスターダム後楽園のお詫び」

SNS上で週刊プロレス批判が殺到

さて、これを受けて賑わいを見せているのがSNS界隈です。

試合に対する論争、そして勝負論の是非に、そもそもプロレスとは?などなど…。

その中で、唯一の業界誌「週刊プロレス」では、顔面を大きく腫れ上がらせた安川惡斗の写真を表紙に使用し、大きな話題を呼びました。

そして、この表紙論がファンのみならず、現役プロレスラーも巻き込んだ、大きな問題提議となりました。

インターネットの特性として、声の大きな否定の意見が目立つという局面があるものの、それを差し引いても、スターダムの写真を使うべきではなかったという意見が多数を占めています。

おそらく、週刊プロレス編集部内、ベースボールマガジン社内でも表紙の写真について、様々な議論が行なわれたことかと思います。

その上で出した結論が、今週号の表紙なのでしょう。

当然のことながら、SNS上は週刊プロレスの姿勢を批判する声が殺到しております。

しかし、批判が巻き起こるのは、週刊プロレス編集部としても想定の範囲内。

それでも、表紙に起用したからには、それなりの理由が週刊プロレス内にもあるはず。

それでは、なぜ、週刊プロレスは、批判を覚悟の上で、スターダム安川惡斗選手の写真を使用したのでしょうか。

考察したいと思います。

週刊プロレスが安川惡斗を表紙にした理由

なぜ、週刊プロレスが安川選手の写真を表紙にしたのか、ピックアップしました。

  • 真実の報道
  • 劇薬の投下
  • スターダムを守るため
  • これもプロレス1
  • これもプロレス2

次に、ひとつずつ詳しく見ていきます。

真実の報道

取材期間中に起こった最もインパクトの大きかった出来事が、スターダム世Ⅳ虎選手vs安川選手の試合だったのは間違いありません。

ならば専門誌として、スターダムの試合を表紙に使用するのは当然の姿勢。

編集部の思惑なんぞは別の話。

起こった事実を正しく報道し、判断を仰ぐのは読者。

真実を伝えるのがマスコミの仕事だとすると週刊プロレスの姿勢は間違っていないのではないでしょうか。

劇薬の投下

批判されるのは覚悟の上での問題提起を起こした。

賛否両論を読者に論じてほしい。唯一の専門誌といっていい週刊プロレスが表紙にしたことによって、プロレスを見ない人たちも興味を持った。

プロレス村だけでなく、一般社会も巻き込んで賛否を問うための問題を投げかけたのではないでしょうか

スターダムを守る

試合直後から、ネット上では、スターダムの管理体制が厳しく問われました。

しかし、週刊プロレスの表紙が公開されたことで、批判の矛先は少なからず、週刊プロレスへと方向が変わった。

一時的にせよ、スターダムを守るために、週刊プロレスが身を挺して批判を浴びたのではないでしょうか。

これもプロレス1

プロレスとは闘い。

闘いである以上、怪我などのアクシデントは付き物。

エンターテインメント性ばかりが強調される最近のプロレスに、プロレスは闘いであるということを再認識させる必要がある。

馴れ合いのエンターテインメントに慣れ親しんだ層に、問題定義を投げかけたのではないでしょうか。

これもプロレス2

プロレスとは人間模様を見せるもの。

週刊プロレスでは、安川選手は苦境から這い上がるだけの強さを持っていると記載しています。

安川選手にとって、今週号の表紙はドン底でありスタート地点。

立ち上がる姿をファンに提示するのがプロレスラー。これから、始まる安川惡斗物語を期待しての表紙起用なのではないでしょうか。

雑誌・書籍にとって、最も大切なこと

翌週、週刊プロレス誌上で、上記のツイッターを残した棚橋弘至選手と、週刊プロレス編集長の対談が掲載されました。

お題目はもちろん、安川惡斗選手の表紙仕様について。

さっそく見ていきましょう。

棚橋:これ(安川選手が表紙の週刊プロレス)が売れるという判断だったんですか?

編集長:先週号に関しては。で、実際に売れてるんです、間違いなく。

引用:週刊プロレス

一つの結果として、安川惡斗選手が表紙の週刊プロレスは売れました。

これは、雑誌の編集長として最も評価されるべきポイント。

出版社だろうとなんだろうと、民間企業である以上は数字を出す必要があるからです。

いくらプロレス界が盛り上がろうと、週刊プロレスの部数が下がれば編集長は立場がありません。

部数が下がれば編集長を辞めさせられるし、もしかすると週刊プロレスという雑誌自体がなくなるかもしれません。

週刊プロレスは唯一のプロレス専門誌?

そんなことは関係ないですよ。

専門誌がなくてもジャンルは発展しますし、週刊プロレスに代わる専門誌なんていくらでも出てきます。

ただし、それが数字になるのであればですが。

安川惡斗の写真を表紙に使った理由

対談により、週刊プロレス編集長から安川惡斗選手の写真を表紙に使った理由について、次のように述べられています。

前週の試合の中では一番のインパクト、事件ですので、これを表紙にしなかったら僕は週刊プロレスの編集長としての資格はない。

2つにひとつですよね。

そのままストレートに表紙にするか、別の表紙でお茶を濁すか。

ぎりぎりまで悩みましたが、どっちにしても批判はある。

逃げられない。

結果、あの事件にフタはできなかったということです。

起こった事実を正しく報道し、判断を仰ぐのは読者。

引いては、これが週刊プロレスの報道姿勢といえるでしょう。

プロレスブームが更に続くと、様々なメディアでプロレスを目にする機会が増えてきます。

中には、プロレスに何の造詣もなく、ただブームに乗っかっただけの記事も少なくありません。

本当にプロレスが今以上のブームを迎えるのであれば、こういった記事はさらに増えることでしょう。

そうなったとき、頼りになるのは読者自身の判断基準です。

読者は自分にとって、面白いと思ったものを選択するだけです。

ファンに問われるのは情報を取捨選択することができる能力です。

記事に共感を覚えるのならば購読するし、反感を持つのならば買わないだけ。

選択権は読者にあるのです。

和田恭平レフェリーが世Ⅳ虎vs惡斗戦を振り返る

和田恭平レフェリーが世Ⅳ虎vs惡斗戦を振り返る:週刊プロレス1784号

さらに、この件について、試合を裁いた和田京平レフェリーが事件を振り返りました。

既に、各メディアでも掲載されていますが、週刊プロレスにて振り返るのは今回が初。

これらと 内容が被る箇所もありますが、読み解きます。

世Ⅳ虎vs惡斗もプロレスだった。

あれも(世Ⅳ虎vs惡斗戦)もプロレスであって、ゴチャゴチャ言う必要はないっていうのが俺の考え。

和田レフェリーは試合を「あれもプロレスだった」と振り返ります。

ただし、プロレスではありながら、「世Ⅳ虎選手はチャンピオンらしからぬ行動を取ってしまった」と補足。

世Ⅳ虎選手がチャンピオンとしての品格を備えていたのならば、間違ってもあんな行動は取らなかったし、仮に冷静さを失っていたとしても、最初に和田レフェリーが試合を止めた時点で、落ち着きを取り戻さなければならないと説明します。

ここで感じる違和感は、チャンピオンとしての風格の部分。

和田京平レフェリーが身をおいた、全日本プロレス全盛時代と、今の細分化しすぎた女子プロレス界では、選手の置かれた環境があまりに違います。

和田京平レフェリーは、あまりにもプロレスラーを信頼しすぎたのではないでしょうか。

今回がそうだというわけではありませんが、現状、プロフェッショナルとは言えないプロレスラーが存在しているのも事実。

確かなキャリアを持った和田京平レフェリーが厳格に試合を裁いても良かったと思います。

プロレスは選手の安全面が最優先

早く止めるべきだったのかなと思うけど、1分、2分で終わらせていいの?

(中略)あそこで俺が止めたらお客さんは納得しないでしょ。

これは完全に違います。

プロレスとは選手が真剣に闘う場。

真剣に闘う以上、アクシデントが起こる可能性はいつだって存在します。

そんなとき、観客が納得しないからという理由で、試合を続けて良いのでしょうか?

私はそれは違うと思います。

選手の動きがおかしいときは、試合を一時中断する。

そして、試合続行が難しいのならば、序盤だろうとメインイベントだろうとその場で試合はストップさせる。

観客が納得しない?

アクシデントにより、パフォーマンスが落ちた選手に試合を続けさせることで観客は納得するのでしょうか。

私は、以前にこのような内容のブログを書きました。

レスラーが怪我をするところなんて見たくない!ドクターストップは早めにしてほしい!!

どんなときでも、選手の安全面が最優先。

レスラーが目の前で怪我をするところなんて誰も見たくありません。

それが納得できないような観客は、もはや観客ではありません。

即刻、退場処分にしても良いと思います。

和田京平レフェリーは、どんなことであろうと、アクシデントが起こった時点で試合を止めるべきだった。

あれほどの怪我を負った選手を闘わせることを望んでいた観客がいたのでしょうか?

いるはずもありません。

第一試合だろうと、メインイベントだろうと、東京ドームのメインイベントだろうと関係ありません。

プロレスは残酷ショーではないのです。

選手の安全面が最優先です。

セコンドからのタオルがあろうとなかろうと、レフェリーは試合を止める権限を持っていました。

選手の安全面を考えると、あの時点で止めてほしかったと思います。

プロレスの試合の最高権力者はレフェリー

セコンドにタオルを投げさせたと説明しますが、元々、プロレスにセコンドなんてものは存在しないのだから、セコンドにタオルを投げさせてストップしたという理屈は筋が通っていません。

週刊プロレス1782号のインタビューで鈴木みのる選手が話していたように、プロレスにおいて一番権限を持つのはレフェリーです。

レフェリーが判断しなのならば、選手やセコンドが納得しなかろうと試合をストップできるのがプロレスのレフェリーなのです。

試合をする選手以外で唯一リングにいるレフェリーが最高権力者でなければなりません。

レフェリーが危険とみなせば、いつでも試合を止めることができる。

これがレフェリーの権限、だからレフェリーストップがあるのです。

それができないのならば、ノーレフェリーマッチと何ら変わりません。

レフェリーによってさじ加減はあるものの、そのさじ加減が観客に左右されるようでは意味がありません。

凄惨な怪我は見たくない

今回の件に関しては、さまざまなところで議論を呼びました。

大別すると、次の2つです。

プロレスで相手に怪我をさせるのはよくない

プロレスなんだから相手に怪我をさせることもある

極論的にいうと、この2つに落ち着くのですが、プロレスというジャンルがここまで多様化すると、見解もさまざまです。

どちらを選ぶかは、選手の技量次第。

まだデビューしたばかりの選手ならば、それ相応のプロレスがありますし、熟練した選手ならそれ相応のプロレスがあります。

とはいえ、いくら熟練した技術を持っていたとしても、怪我をする。

そのときに備えて、怪我を未然に防ぐ技術は、磨いてほしいと思います。

怪我をするのは仕方ないですが、怪我するところを見て喜ぶファンは1人もいませんよ。

スターダム世Ⅳ虎vs安川惡斗は世間に影響を与えているの?

最後になりましたが、ここまで記事を綴ってきて、一つだけ疑問が湧きました。

それは、

スターダムの事件は、本当に世間に影響を与えてるのか?

です。

確かに、今回の件はプロレスファンの間では大きな話題になっています。

でも、プロレスファンでない人の間で話題になっているのでしょうか。

私個人の話ですが、思い返してみると、プロレスファン以外の人と、今回のスターダムの件について話した記憶は全くありません。

もしかして、騒いでるのはプロレスファンだけで、世間一般にはまったく届いていないのでは…

それならそうと、検証してみる必要があります。

スターダムの事件が世間に与えた影響力を測るため、周囲の「プロレスに全く興味がない」人たち50人に、次のアンケート調査を行ないました。

  1. 女子プロレスで事件があったことを知っていますか?
  2. 何があったのか知っていますか?
  3. どこの団体の誰と誰の試合か知っていますか?
  4. どのように思いますか?
  5. 3月29日に後楽園ホール、チケット買って観に行きますか?

果たして、一般世間で、スターダムの事件はどの程度認識されているのでしょうか?

そして、どれほどの影響を与えてしまったのでしょうか?

なお回答者の年齢層は10代~60代まで、男性30名・女性20名となっております。

本当にプロレスが世間に影響って与えてるのでしょうか?

Q1.女子プロレスで事件があったことを知っていますか?

  • 知っている=25人
  • 知らない=25人

ほとんどがニュースでやってたから知ったとの回答。そしてヤフーニュースで見たという人が大多数です。

やはり、ヤフーニュースが世間に与えるインパクトは大きいようです。

なかには、こういった声もありました。

またプロレスで何かあったの?

どう聞いても好意的ではなく、プロレスに対して猜疑心を持った言い方でした。

昨今、プロレスのイメージが上昇したとは言え、まだ、プロレスをこういった目で見ている人がいることは事実。

やはり、プロレスに対してのイメージを変えるのは並大抵にはいかないようです。

Q2.何があったのか知っていますか?

(Q1で知ってると答えた人を対象)

  • 知っている=19人
  • 知らない=6人
回答例.

なんかあったらしいけど見ていない
ヤフーニュースで見た。
スポーツ新聞で見た。
テレビで見た

なんと、週刊プロレスで事件を知ったという回答は0でした。

あれだけプロレス界で大騒ぎになった表紙騒動ですが、案外、一般世間では問題になっていない様子です。

Q3.どこの団体の誰と誰の試合か知っていますか?

(Q1で知ってると答えた人を対象)

  • 知っている=1人
  • 知らない=14人
回答例.

ヤンキーみたいなのが素人の女の子殴ったんでしょ。
暴走族みたいな名前のプロレスラーだったと思う

ほとんどの人が選手の名前を覚えていませんでした。

二人ともが覚えにくい名前だったということもありますが…そもそも、名前が読めないという人も多かったです。

インパクトのある名前も良いかもしれませんが、名前を覚えてもらうためには簡単な名前のほうが有利かもしれません。

キューティー鈴木、ダイナマイト関西、デビル雅美などなど…女子プロレス全盛期の選手は名前が覚えやすくインパクトもありました。

このあたり、ブームを起こす上で、意外と重要なことかも知れません。

Q4.どのように思いますか?

回答例.

プロレスなのに、本気で殴っちゃダメでしょ。
本当に怪我してるの?

このあたり、プロレスファンからしたら我慢ならない回答が出没しました。

安川惡斗選手は素人ではなく立派なプロレスラー。ただし、復帰したばかりなので体はできていなかったかもしれません。

プロレスなのに…プロレスなのに…”なのに”…嗚呼、プロレスラーはいつだって本気で技を出しています。

ただし、相手の弱いところを狙わないだけ。

やっぱり一般世間では、いまだにプロレスはそういう扱いなんだなということを再認識しました。

本当に怪我してるのという回答には、かなりカチンと来ました。

どんだけ、プロレスに悪い印象持ってるんだか…

Q5.3月29日に後楽園ホール、チケット買って観に行きますか?

  • 観に行きたい=0人
  • 観に行きたくない=50人
回答例.

やだよ!
興味ないです。
棚橋とか出るなら観たいけど…

この質問の肝は、お金を出して観に行くかというところ。

予想通りといえば予想通りかもしれませんが、事件があったからといってチケットを買ってプロレスを観に行こうかという人は皆無でした。

ある意味、ホッとしました。

野次馬根性でプロレス見に来られたって仕方ないですもん。

野次馬さんが期待するようなことは起こらないに決まっています。

ただ、ちょっとプロレスを見直す結果になるだけですよ。

総評

あんまり週刊プロレスがコンビニに置かれていないとはいえ、ネットやSNSであれだけ大騒ぎになった表紙を目撃したという人が皆無だったことには驚きました。(目線には入っていたとは思いますが、認識まではいたっていません)

しかし、考えてみると、私も興味のない雑誌の表紙を覚えていることなんてありませんから、その点は妥当といえば妥当なのかもしれません。

そして、こちらも妥当な結果なんですが、スキャンダラスな事件が起こったとしても、3000円以上するチケットを自腹で購入して見に来るような一般人はいませんでした。

棚橋とか来るんなら観たいけど…」という意見があったところを見ると、新日本プロレスのように地道な戦略のほうがプロレスの間口を広げるには有効な様子。

スキャンダルは、一過性のものでプロレス人気を底上げするほどの力はないということが分かります。

結論です。

スキャンダルは、話題になるけど潤わない

地道にプロレスのイメージを上げていきましょう。