天龍源一郎「酒羅の如く」:アントニオ猪木との死闘!:雑誌・書籍感想

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天龍源一郎 酒羅の如く 叶 精作

BUBKAで連載された、天龍源一郎選手が主役の漫画「酒羅の如く」。

収録作品のほとんどが、1970年~1980年の話。

天龍さんがレスラーになる前の関取時代、そしてアメリカ武者修行時代から全日本プロレスでメイン張ってたころまでのエピソードです。

全12杯(話)収録の中で、今回は私が一番好きなエピソードを紹介します。

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酒羅の年酒!天龍源一郎 対 アントニオ猪木

198X年1月2日某スポーツ紙主催「プロレス大賞」授賞式会場。

漫画中では、いつの授賞式か明らかにされていませんが、天龍選手の「ターザン後藤選手が新人賞を取ったとき」という後記から、1983年の授賞式だということが推測できます。

1983年というと、天龍選手は故・J鶴田さんと最優秀タッグチーム賞を受賞しています。

最も脂が乗りまくっていたときです。

今でこそ頻繁に行なわれる団体間の交流も、当時はまだ夢のような話でした。

特に、全日本プロレスと新日本プロレスの間には深い深い溝が存在していた頃です。

両団体とも、真ん中にテーブルを挟んで、微妙な距離感を置いて授賞式は進みます。

アントニオ猪木からの挑戦

そこへ、嫌な緊張案を打ち破るように、ある男が現れます。

フフ・・・・・・どうだい?一杯!!

アントニオ猪木さんです。

猪木さん40歳前半のころの話のはずですが、漫画中では完全に2013年のころの猪木として描かれています。

昔から、全日本プロレスの試合始めは1月3日から。

つまり、この日は試合の前日です。

いくらレスラーといえど、試合前日の深酒は厳禁。

試合前の飲酒が原因で命を落としたレスラーもいます。

さすがの天龍選手も躊躇いたします。

酒は嫌いかね!?

天竜選手の躊躇も意に介さず、俺の酒が飲めんのかといわんばかりに迫る猪木さん!

今なら完全にアルコールハラスメントです。

グィッ

こうまで言われたら、酒羅と呼ばれた天龍選手の名が廃ります。

覚悟を決めたように飲む天龍選手。

グラスに注がれた酒を一気に飲み干します。

飲み干した天龍選手は、お返しとばかりに猪木さんのグラスに酒を注ぎ始めます。

笑みを浮かべながら猪木さんも飲み干します。

それを合図に、猪木と天龍さんのアルコールバトルが始まりました。

俺の技・・・延髄斬り使ってるんだって!?

まぁ 大事に使ってくださいよ

飲みながらも、天龍選手に圧力をかける猪木さん。

とても酔えそうにありません。

息の詰まるような酒の注ぎ合いに、さすがの天龍選手も苛立ちます。

一気に勝負に出ました。

ここは俺の飲(や)り方でいかせてもらいます!

周囲に集められた酒を、アイスペールに注ぎ始めます。

おそらく、アイスペールの容量は3リットルを超えています。

ウイスキー、ウォッカ、麦焼酎、とにかくありとあらゆる酒が入っている様子、名付けて天龍スペシャル。

天龍選手、完成した天龍スペシャルをわずか2コマで飲み干しました。

天龍源一郎の反撃!

次はお前の番だ」と言わんばかりに猪木さんを睨みつける天龍選手。

素敵過ぎます。

猪木さんはどう出る?

天龍スペシャル以上の、猪木スペシャルを作って飲み干さないと、闘魂が廃ります。

我々読者も、ページをめくる指に力が入ります。

まぁ昼間っから気負って飲むこたあねえな!!

出ました、猪木さん独自の風車の理論!

若き天龍選手の猛攻を、軽く受け流します。

ポカン

これには、さすがの天龍さんも立ち尽くすしかありません。

初対決までの前哨戦!

二人がリング上で初めて肌を合わせたのは1994年1月4日の東京ドームです。

既にこの時から、戦いは始まっていたようです。

だとすると、考えられないほど長い前哨戦ということになります。

天龍選手との一戦で猪木さんは引退を決意したと言われていますが、この酒羅対決によって、実は猪木さんは己の引退時期を感じていたのかもしれません。

この当時、猪木さんが天龍選手と同じように、全ての酒を飲み干していたら、どうなっていたでしょう。

もしかしたら、今のプロレス界は違ったものになっていたかもしれません。

想像力溢れる、天龍選手と猪木さんの初対決でした。